高脂肪食の弊害は国にも責任❚植物油の落とし穴
2005年に厚生労働省が定めた「日本人の食事摂取基準」(2005年)
のなかで、脂肪の項目について見てみると、
オメガ3 系脂肪酸では18歳以上の目標量が「~以上」とされているのに対して、
オメガ6 系脂肪酸では「~未満」となっているのです。
いずれも体に不可欠な栄養素なのですが、
積極的に摂ろう、逆に、摂りすぎに気をつけようと、扱いが違っています。
オメガ6では、「小児については、過度な摂取は避けることが望ましい」
と、注釈に書かれています。
これについては、過去に犯した「国家レベルでのミス」が関係しているのです。
もうひとつ新聞記事を紹介しますね。
1997年12月11日の毎日新聞の記事で、
当時の厚生省が定めた脂肪摂取の所要量や、脂肪酸の摂取比率の指針に対して、
なんと、日本脂肪栄養学会が「その数字は国民の健康を害するものであり、
もっと改善すべきだ」と警告した、というのです。
厚生省はある実験データから、動物性脂肪が「悪玉」で、
リノール酸(オメガ6)の多い植物油が「善玉」である、と
安易に判断し、植物油の摂取を奨励しています。
その結果、国民の脂肪総摂取量、急激に増加してしまったばかりか、
オメガ3とオメガ6の、摂取バランスが大きく崩れて、
アレルギー性疾患や生活習慣病のリスクを高めてしまっていたのです。
脂肪を摂る際には、オメガ3とオメガ6の比率が非常に大切ですし、
両者のバランスが崩れてしまうと、いろんな健康上に問題が出て来ます。
このようなことを国は理解しておらず、むやみにリノール酸の多い植物油を奨励した結果が、
生活習慣病に苦しむ人が多く出てしまったといえるのです。
学会は厚生省に対して「異例の見解を公表した」というだけの内容で、この記事は終了しました。
このようなことが、許されていいのでしょうか。
国は非を認め、きちんとわかるように私たちに謝罪すべきだと、思いました。